建築設計では、相変わらず意匠偏重の傾向が、学生諸君はもちろん、教える側にも存在している。しかしながら、近年、地球環境への配慮は不可欠である。建築学会は地球環境憲章を掲げ、作品選奨・選集などの審査でも環境への配慮を考慮している。また、公共建築では環境共生への配慮を義務づけ、その効果を定量化して示すことが求められている。「快適で美しい建築・都市を自然エネルギーのみで創る」ことがこの問題への回答である。すなわち、環境への配慮と意匠デザインをどのように融合するか、融合できるか、が建築に携わる者に求められている。