設計をすることは、ものとものとのあいだを調律することだと感じています。見えない空間や時間に、見えるものの比率や構成を使ってアプローチするその手立ては、ある事象が一見関係ないと思われる他の事象との関係の中で成立していることとも近いかもしれません。絵画や彫刻などの芸術が、それを観た誰かにとっての何かを表し得ることがあるように、世界は様々な重なりによってできていると思えることがあります。無数の重なりの中の一つの現れとしてただある、と思いながら目の前の世界を見ていたいと思います。