指導教員:吉村純一 教授
制作年:2023年
空き地の賞味期限 -自然と季節の恵み-
現在の日本では、空き地や空き家が大きな問題になっている。これらは所有者が不明なため、多くの空き地がそのまま放置されているケースもある。このままでは管理維持が難しく、まちの景観にも影響が出てくるだろう。
この問題をランドスケープデザインの観点から捉えなおし、解決の可能性を探りたい。
私は日常の風景を観察し、私有空地の風景は雑草や植物など自然がつくった風景であり、季節により、植物の高さや種類が変わることを発見した。
本提案では、空き地の風景に対して賞味期限という言葉を使い、三つの要素を含めたデザインを考えた。一つは、空き地にある素材。建築を解体後、必ず出る建築廃材を主に素材として使う。二つ目は、自然の恵み。空き地を観察した結果、空き地に生息する植物は、季節により、植物の高さや種類も変化することがわかった。三つ目は、空き地に現れる現象。水溜り、花畑、野原、植物の揺らぎ、雪地など。ランドスケープデザインの視点からそれぞれの空き地の個性を足し引きし、簡単で簡易な住民参加が可能なデザインとした。それらのデザインを日本の代表的な地域空間である、駅前、商店街、高級住宅街、伝統住宅街に反映し、空き地の賞味期限を提案した。