王 琳

指導教員:松澤穣 教授

制作年:2020年

【 研究テーマ 】

階段空間とその周囲の場の連続

建築家にとって上下を繋ぐ階段は、建築要素の中で最も力を注ぐ部位の一つだ。階段自体やそのディテールに目を向けた研究や書籍が多い中で、本研究は階段空間を切り口として建築家の作品において捉えられる特質を「階段空間とその周囲の場の連続性」について研究する。その隣接空間との連続性を模索すると同時に、建築の可能性を広げたいと考えている。
コルビュジェ、ロースなどの建築家の特徴に合う分析方法で考察し、整理した結論に基づいて、階段空間を囲われている包囲面に焦点を当て、自らの実験設計を行う。階段、スラブ、壁、この三つの構築物に分け、それぞれ基本の形と近似的な形を集め、パーツをまとめる。異なる組み合わせにより階段パターンを作成する。包囲面の位置と数により、各階段パターンの空間構成を番号で示すことができる。
これまで作った階段パターンはどのような場面で使えるのが表現したいと思い、フレームは建築と模型の中間のようなものにたどり着いた。建築における構造化した秩序と空間構成の様々な関係を示す、アッセンブルのルールだと考えている。はっきりとした方向性で縛りを与えるというよりも、自由に考えられるものになればいいと思う。