董玥岑

指導教員:枡野俊明 教授

制作年:2023年

【 研究テーマ 】

禅思想を利用した心を解放する体験空間に関する研究
―猿島の禅空間デザイン提案―

「自我」から「無 我」へという禅の思想を利用し、五官・六識を経た悟りの体験プロセスによって、猿島で歴史遺跡と繋がり、禅セラピー方法を体験できる空間を提案した。
猿島の自然風景と遺跡を守った上で、順番に禅と出会い、大自然と出会い、心と出会いでそれぞれの場所は、坐禅・公案の空間、禅芸術展示・瞑想の空間、茶室・ 内観療法の空間、これらの三つの空間を考えている。
1.坐禅・公案の空間は、円形の砲台跡をイメージし、 円錐体空間を作った。天井から入り込む光で意識を集中できる。視覚上では、違う素材の壁で光の表現が違うので、 三つの素材を通じて異なる体験できるように考えた。この空間の中では、禅語を読みながら、周囲環境の空、光、雨 滴を感じることができる。
2.台場跡は海と近いことから、海風、海鳴り、潮煙を 見ることができる。海をよく感じられるように、回廊という禅芸術展示できる空間を提案した。モチーフは水曲、山 並、潮煙などの大自然の要素だ。
3.茶室・内観療法の空間は砲台跡の円形沈下空間遺跡が存在していたので、現場の植物を利用し、茶室と中庭を造った。遺跡の上に四畳半の茶室空間が庭園を囲むように並ぶ。「流心庭」という中庭が鏡で曲水と「心」漢字の形 をイメージして設計した。鏡面を利用した空間は、空や周囲の風景を映し、茶室建築と一体の空間となり、人工物と自然が空間を共有させ、共生するように佇んでいる。
この作品は、禅の心を感じる体験空間の創造だ。